雪に包まれて

上の雪
さむかろな
つめたい月がさしていて

下の雪
重かろな
何百人ものせていて

中の雪
さみしかろな
空も地面もみえないで













ふと、金子みすゞの詩を思い出しました。
「積もった雪」
というタイトルです。


雪が積もって、どんどん積もって、とうとう雪の大きな壁に包まれて
家から一歩も出られないという事が起こりました。

とても静かな山の夜は、雪が降るとよりいっそう深い静寂に支配される
ような気がします。

そしてなんの予告もなく、屋根に乗っていた雪がドドドッと雪崩のように
落ちてくる音には心底ビビリます。

この週末の三日間くらいは、本当に外界からすっかり遮断された中で
家に残されたわずかな食料をやりくりして過ごしていました。

近年まれにみる大雪だそうで、除雪車が大活躍で道の雪をどかしてくれて
いるのですが、国道などの大事な場所から優先なので、我が家のほうまでは
すぐには間に合いません。

ヤバい。
米があと少しで無くなる。
野菜もない。
ど、どうしよう
と、頭の中は食料の事でぐるぐるする私。

しかし、どこにもいけず、誰にも会えず、じっと家の中にいなくては
ならない人間にとって、最大の楽しみは食事の時間！

そうだ！米のかわりにパンを焼いてみよう！
と思い、今まで発酵させるのがめんどくさそうだなっていう理由から
パン作りは敬遠していた私だけど、背に腹は変えられないので
チャレンジしてみました。

そして






くるみパン完成。
やってみたらそんなに難しくなかった。
家族は大喜び。
よし、一食しのげたぞ


こういう非常事態に備えて、普段からいろいろストックしておくべきだなーと
本気でおもいました。
とくに粉関係のものたくさんあると米がなくてもしのげるね



今回の積雪は、私の首くらいまで積もりました。





玄関前に歩く道を作ってくれた娘
積雪ハンパない。






雪に埋もれた薪を掘り起こす私
屋根からも雪が落ちてくるからどんどん雪山がでかくなる


そしてやっと日曜日の今日除雪車がきてくれた。





これでやっと食料の買い出しにいける！
しかし尋常じやないなこの雪の量
このあたりじゃこんなのめずらしいみたいだけどね。





ところが除雪の入らない場所に車をとめているせいで、車は完全に雪の中。
買い出し前の重労働だーい





なんとか車の姿が見えてきたぞ！
もうヘトヘトー


雪と格闘しながらやっと車で出発できました。

我々のめざすスーパーは、ずっとずっと下のふもとにあるので、
これまたなかなかのスリリングな冒険となりました。
タイヤが雪ですべるし雪で道がでこぼこしてるから車体もぐわんぐわん
揺れるし、なんか幌馬車に乗ってる気分になりました。


でも対向車の人もみんなすごくゆっくり運転で、お互いに手をあげて
安全を確認しあって進んでいたので、なんとか事故も起こさずに買い出しは
終わりました。
みんなこの土地の事をよくわかっていて、ちゃんと心のある合図をお互いに出し合っていて、
ノロノロ運転でも、誰もイライラしてなくてありがたかったなー


何日かぶりに人を見たせいか、誰も彼もが優しい人に見えてしまいました。


あー、子供達の学校も月、火と臨時休校です。
でも現在の予報だと火曜もまた雪みたいです。
そうなるとまた休校になってしまうのか？


なんか早く春になってほしいな

雪がない道ってあるきやすいんだろうなー









ナッキー